うま味研究会とは

 うま味研究会(Society for Research on Umami Taste)は1982年に「うま味」に関心を持っていた研究者を中心に発足しました。食品科学、生理学、栄養学、味覚心理学等、さまざまな分野の国内外の研究者を交えたパネル討論会、研究発表会、講演会、ワークショップ、セミナー等の活動を通して、「うま味」の学問的追究を行ってきました。うま味研究会の発足以来、国内はもとより国際的にもうま味研究への関心は高まり、うま味物質の生化学的性質だけでなく、味覚生理学的、食品科学的、栄養学的特性や食行動との関連など多くの研究成果が積み上げられてきました。2002年には、ヒトのうま味受容体としてT1R1/T1R3が発見されたことで、「うま味(Umami)」は基本味の1つとして認知され、今や国際語となっています。
 これまでの活動の大きな成果として2回の国際シンポジウムの開催(1985年ハワイ、1990年シシリー)が挙げられます。第1回国際シンポジウムの開催を通じて「UMAMI」は国際的な学術用語として認められ、その成果は米国マーセルデッカー社より出版されました。また、第2回国際シンポジウムの成果は国際的にも権威ある学術雑誌"Physiology and Behavior"誌(米国パーガモンプレス社)の特集号として出版されました。これら2回の国際シンポジウムは、「うま味」という一つの味覚について幅広い分野の研究者が集まり、発表、討議をしたユニークな学会のスタイルとして注目されました。
 また、嗅覚・味覚国際シンポジウム(International Symposium on Olfaction and Taste(ISOT))においては、1993年(札幌)、1997年(サンディエゴ)、2000年(ブライトン)、2004年(京都)にうま味シンポジウムが開催され、100名近くの参加者を交えて活発な討議が行われました。2008年にはうま味発見100周年記念公開シンポジウム、国際シンポジウム100th Anniversary Symposium of Umami Discoveryが東京で開催されました。また、サンフランシスコで催された嗅覚・味覚国際シンポジウムInternational Symposium on Olfaction and Taste (ISOT)では、2つのうま味シンポジウムが持たれました。2012年にストックホルムで開催されたISOTにおいても、うま味のシンポジウムと、口腔内消化管における栄養センシングに関するシンポジウムが持たれました。
 うま味研究会では、我が国で古くから用いられてきた"だし"とその味覚効果に着目し、その主要な成分であるうま味物質についての科学的追究とその生体における意義の解明をテーマとして30年余り活動を続けておりますが、そこには新しい味の科学の進展という期待があります。今後も、より多くの研究者の方々と「うま味と食べ物のおいしさ」や「うま味と健康」などを切り口とした研究、討議を行うことで、食べ物のおいしさにおける「うま味」の重要性を広く普及すると同時に、食品科学、栄養学、生理学、脳科学分野等の広い分野における「うま味」の新たな機能の発見や研究展開の一助となることを期待しております。

うま味研究会代表
西村 敏英

うま味研究会
西村 敏英 女子栄養大学 栄養学部 教授
西条 寿夫 富山大学 医学薬学研究部 システム情動科学 教授
宮本 武典 日本女子大学 理学部 物質生物科学科 教授

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